くのいち咲世子の天然語録

TURN12ネタの健全ギャグ系SSです。
気分転換を兼ねているのでとっても短い上に萌えとはかけ離れていますが、気の向かれた方は下の「続きを読む」をぽちっと押してください。

 ナナリー・ヴィ・ブリタニアことナナリー・ランペルージの世話役としてアッシュフォード家より派遣された篠崎咲世子は元々護衛として力量を買われて雇われた女性だった。
 唯一の跡継ぎであるミレイ・アッシュフォードの護衛の為に雇われミレイ付きのメイドとして働いていた彼女はその力と忠誠心から密命を受け、公的には死んだことにされたルルーシュ達のメイドとなったのだ。
 その時に二人が本当は皇族であること、そして二人が身を隠す理由を教えられていた。

 故に、彼女がルルーシュの事を誤解するのは当然といえる部分があった。

『人間関係を円滑に。』

 捉えようによっては酷く曖昧な命令である。
 ルルーシュが望む人間関係は親しい友人との日常生活。
 彼らとの友情が保たれれば問題はなかった。後は周囲の目を誤魔化せれば尚良いといったところだろう。
 だがしかし、咲世子はあまりにもルルーシュに近い位置に居過ぎた。
 学園でのルルーシュの様子を見ておらず、同じクラブハウス内の生徒会メンバーとのじゃれ合いばかり見ていたのだ。
 つまり咲世子が知るルルーシュはクラブハウス内に限定されており、ナナリーを気遣い深く愛するその姿を常に見ていた彼女はルルーシュ本来の一般女性に対する態度とナナリーに対する態度の違いに気づいていなかった。
 止めがルルーシュの本当の素性を知っていたという事だろう。

「日曜は授業がないから24時間フルにスケジュールを組み込める・・・それなら。」

 彼女の脳裏に浮かんだのは三桁の数字と白いロールケーキ頭。
 それこそがルルーシュの受難の理由と言えよう。



 * * *



「で、咲世子。何で体力の無い兄さんにあんな無茶なスケジュールを組んだのさ。」
「確かに、いくらなんでも無茶だ。全てが予定通りにこなせるわけじゃない。何故あんな人数の女生徒と約束したんだ。」

 本来ならば日曜はロロがルルーシュを独り占めに出来る日だ。
 中華連邦の事もあるが朝食は共にとり、夕方に戻ってきたルルーシュとの語り合いや一緒に作る食事を楽しみにしていたロロとしては咲世子は忌々しい存在でしかない。
 ロロが眉間に皺を寄せて問うのは当然のことだ。
 いつもならルルーシュがロロを窘めるが今回ばかりは事情が違った。ロロに追従するように問うルルーシュに咲世子は逆に不思議そうに尋ね返す。

「ですが、ルルーシュ様は沢山の女性と円滑な関係を築きたいとお思いだったのではありませんか?」
「兄さんはそんなこと考えてない! デートばかり繰り返させて一体どういうつもりなんだ!!!」
「ロロ落ち着け。咲世子、何でそう思ったんだ?」
「それは・・・。」

 ブリタニア皇帝の后妃は108人でしょう?
 だからルルーシュ様もお揃いにした方がよいと思ったのです。

 微笑み答えるは日本最後の天然くのいち。
 その言葉にルルーシュが暴れ始めるが咲世子は全く理解せず微笑み続けていた。


 誰があんなヤツとお揃いにしたいものかっ!!!
 兄さん落ち着いて!



「まあ、仲の良いご兄弟ですねv」


 END


 特に意味はありませんが、約束した人数が108人ってところに咲世子さんの配慮が見えた気がしました。(大笑)
 それにしてもシャーリーとルルーシュをカップル成立させたらって話の時と実際になった時のロロの顔が可愛かったです。
 お兄ちゃん取られて悔しそうなロロが愛おしくてなりません。


 (初出 2008.6.30)
 2009.3.8 ネタblogより転載