〜運命の分かれ道〜


《あの日の私の記憶は赤い色で終わった。》


 第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦は連合・ザフト・第三勢力の三つ巴だった。
 ザフトが切り札として持ち出したのは強力なガンマ線を発射する『ジェネシス』。
 ジェネシスの破壊を目標に奮戦する連合だったが月基地は破壊され背水の陣に立たされた。
 そんな時に起こったのがアークエンジェル級二番艦ドミニオンでの反乱である。
 ただただコーディネイターの殲滅を叫ぶ軍需産業理事ムルタ・アズラエルと部下を上官の私怨で死なせる訳には行かないと叫ぶドミニオン艦長ナタル・バジルール。


「行け! アークエンジェルへ!!」

 軍人として艦長として・・・何よりも一人の人間として彼女は叫んだ。
 あの言葉はアラスカで異動辞令が出されるまではアークエンジェル副長であった彼女が一番望んでいた事なのかも知れないと思う。


《あの時、バジルール少佐はどこか羨ましそうな笑顔で私を見送った。》

 脱出したものの近くに友軍艦は無い。
 だから少女はナタルが残した言葉を叫んだ。

「アークエンジェルへ!」

 脱出艇の進路を目の前の白亜の艦に向け、皆が不安そうに窓を見ていると一人の兵士が少女に声を掛けた。

「君、この宇宙服を着ていなさい。」
「何で・・・?」
「アークエンジェルを知っているんだろう?
 万が一の時は君には直接話し合う為に船外に出てもらうかもしれないし・・・念には念を入れておいた方がいいだろう。」
「なら他の皆も。」
「脱出艇だから2・3着しかないんだ。早く着なさい。」

 自分より年上のクルーの言葉に少女は押し付けられたスーツを手にした。
 それが彼女と他のクルーの運命を分けるとは知らずに。



《キラに会えた。キラが守ってくれた。
 でも、最後の最後で私達はあの人に撃たれた。
 何の武器もない脱出艇をあの人が何故撃ったのか分からない。
 けれどキラの乗るMSが真っ赤な色に染まることだけは分かった。
 話したかった。色んな事を話したかった。
 私の本当の想いを伝えたかった。》

『泣かないで。優しい貴女はもう泣かないで。
 守るから・・・私の本当の想いが貴女を守るから・・・・・・。』

《必死に伸ばした手がキラに届く訳がなかった。
 それでも私はキラに手を差し伸べた。
 それっきり私の意識は世界から消えた。
 だから私は死んだと思った。
 何も無い・・・無の世界で私の意識は漂っていた。
 けれど不意に声が聞こえた。》

「起きろ。フレイ・アルスター。
 もう意識は戻って来ているはずだ。」

《だあれ? 私を呼ぶのは・・・。》

 無意識に彼女・・・フレイは目を開いた。
 飛び込んで来たのは真っ白な世界だった。


 * * *


《予想通り、と言うべきかしらね・・・。》

 カメラを構えミネルバを写しながらミリアリアは思う。
 先の大戦であれ程の犠牲を払い締結されたユニウス条約。
 けれど条約の根本的な部分。基本理念はまるで理解されていないとわかった。
 喜々として自国の最新技術の粋を凝らした戦艦を自慢するアーサーの姿に溜息を吐いても彼は全く気づいた様子も無く笑顔を崩す様子が無い。

「と、まあ・・・ミネルバについてご説明出来るのはここまでですがよろしいですか?
 あまり取材のお役に立っていないような気もしますが。」
「いえ、結構です。ご協力頂き感謝します。」

 にっこり

 微笑を湛えて言ってのけるのはカガリの立場を思っての事。
 本当にアーサーに感謝している訳ではない。
 それに・・・

《この取材の本当の目的はザフト軍人の意識調査なんだから。》

 元よりミネルバに関する詳しい取材など期待はしていない。
 自国の軍事機密を簡単に明かすわけがないのだから。
 カガリがミリアリアに取材を頼んだのはザフト軍の一般的な意識を理解しておきたかったからだった。
 国家元首の立場が時として正確な情報取得の妨げになる。代表首長の任に就いてからカガリはそれを痛感していた。
 だから時々、ミリアリアに調査依頼するようになった。
 『取材』という形をとって『意識調査』して欲しいと。
 どれ程中立を唱えようと現在大きく力を減退させたオーブは非常に危ういバランスの上に存在している。
 カガリは今のオーブを保つだけで精一杯だった。
 けれど世界はカガリの必死な想いとは裏腹にどんどんキナ臭い匂いを漂わせ始めていた。
 ミリアリアも取材先でそれを感じているからこそ今回のカガリの頼みを引き受けたのだ。

《出来るならもっと色んな人の話を聞きたいんだけどね。
 一度戻って推進式に集まった人達の取材した方が良いかしら。》

 一頻り考え込むとミリアリアはアーサーに言った。

「式典の為に来られた人達にもミネルバに関するコメントを頂きたいのですが宜しいでしょうか?」



 ミネルバ艦橋前の資材の山の中、少年は幼い少女を抱え込むようにして座り、嬉しそうに話をしている。
 無理だと思っていた家族との面会。
 いつもはしかめっ面がトレードマークのシン・アスカは蕩ける様な笑顔を浮かべていた。
 視線の先には紺色の髪を肩の辺りまで伸ばした少女・・・いや幼女と言った方が正しいだろう。
 4歳の妹マユがこれまた嬉しそうにシンを見上げて一生懸命に口と腕を動かしていた。

「でね! みんながあんまり食べたがるもんだからフレイがこぉ〜〜〜んな大きなケーキ焼いてくれたの!!
 ホットケーキをいっぱいいっぱい重ねてデコレーションのためのクリームを上のかいの部屋にいるおねーちゃんたちがいっぱいいっぱいあわだてて、おにーちゃんたちがイチゴをいっぱいいっぱい切って、ほかのみんなはクリームがとけないようにケーキをあおいで冷ましておいて、さいごの仕上げはグループに分かれてやったの!!!」

 身体一杯でケーキの大きさを示すように両手を広げて説明し続けるマユの微笑ましい姿にシンはホッとした。
 「自分の都合の為に寂しい想いをさせている」と罪悪感が拭えないシンにとって、マユの元気な笑顔は唯一の救いである。
 施設での生活が落ち着いていると施設の先生から連絡を受けていてもマユ自身の様子を直接見ているわけではないのでどうしても不安が残っていた。その不安も今日の面会で大分解消されたようでシンも緩む顔を隠せない。

「お腹一杯になっただろ。」
「うん! それにすっごくおいしかったの〜☆」
「残念だなぁ。お兄ちゃんも食べたかったよ。」
「だいじょーぶ。あたしがおにいちゃんのケーキ作ってあげる♪」
「それは楽しみだな。」

 ぴぴっ ぴぴっ ぴぴっ

 突如なる電子音にシンは顔を曇らせながら時計を見た。
 もう直ぐ面会時間の終了時間。マユを連れて来てくれた女性も戻ってくる頃だった。

「おにいちゃん?」

 不思議そうな顔をして見上げてくるマユを見てシンは悲しみを滲ませた笑顔で答える。

「残念だけどもう直ぐお別れの時間だ。
 お兄ちゃん、お仕事に戻らないと。」
「やだっ! まだまだはなしたいことあるんだもん!!
 それにもっともっとあそびたいんだもん!!!」
「マユ・・・・・・。」

 シンの身体にしがみついて泣き始めるマユをぎゅっと抱きしめた時だった。

 ウ―――ッ

 アーモリー・ワン全体に響き渡るサイレンが鳴り響き・・・

 ごがぁぁああっ! ゴドゥンっ!!

 地響きが鳴り響いた。
 バランスを崩しかけたが直ぐに持ち直し煙の立つ軍事工廠の方向へ目を向ける。
 次々に上がる轟音と火の手を見るとトラブルが起こった事だけは明確だった。

《くそっ! 一体何がっ!!?》

「おにいちゃんっ!」

 マユの声で気づいた時には遅かった。
 振り向けば二人に向かって積み上げられた資材が崩れ落ちて来ていた。



 ぐらぐらと誰かに揺さぶられている感覚にシンの意識は蘇った。

「シン! 」
「・・・う・・・・・ぁっ!? マユ! マユはっ!?」
「大丈夫。気絶しているだけよ。」

 そう言って微笑むのはマユを連れて来た女性兵士、フレイだった。
 シンが見ると私服姿の彼女の膝に頭を乗せたマユが気絶したまま横たわっていた。
 辺りに色々な資材が転がっているが量はそれ程では無い。不幸中の幸いだろう。
 先程見た煙がまだ広がっていないところを見ると気絶していた時間も僅かだと察せられた。

「シン、とにかくお前はインパルスで出るんだ。さっきミネルバに応援要請が来た。
 新型MSが何者かに強奪された上に港も襲撃を受けているんだ。」
「でもマユがっ! 気絶してるだけって・・・足に怪我してるじゃないか!!
 それに健気で可愛い可愛いマユが起きた時に俺がいなかったら寂しがるだろっ!!?」
「喧しい。」

 ぺしぃっ

 容赦の無い攻撃。
 資材の一つの箱から零れていた衣料品を力の限り投げ付けたのはフレイ・アルスター。
 彼女の行動に咄嗟に反応出来ずヨウランは固まり、攻撃を受けた妹馬鹿のシンは投げ付けられた衣料品を顔面で受け止める。

「妹が大事だっていうなら尚更行けっての!
 アンタは一体何のためにザフトにいるのよ!!
 今戦えないって言うならさっさと退役届けを出す事ね。
 アンタが何でザフトにいるかなんて興味ないわ。大事なのはやるかやらないか。
 この子を守りたいなら行きなさいっ!!!」

 ずもももん

 マユを抱えたままのフレイから漂う赤黒いオーラ。
 気圧されたシンと・・・・直接言われていないヨウランまで怯えて彼女との距離を取る。

「わかったらさっさと立つ!」
「「はっはいっ!?」」
「駆け足っ!!!」
「「はいーっ!!!」」


 同年代の女の子に怒鳴られて大慌てでミネルバへと走っていった二人。
 あれで大丈夫なのかと思いながらも見送り、フレイはマユを抱えて後を追うようにミネルバへと向かった。



「何でお前が此処にいるんだ―――っ!!?」
「プラント国民の一般意識調査の為に来たのよっ!」
「だったらさっさと避難してろ! こんなところへは意図しない限り迷い込むはずがないだろうっ!?」
「写真撮ってたんだってば! こんな事件に巻き込まれて撮らないなんてカメラマンとしてのプライドが許さないわ!
 それに子供にシェルターの席譲ったら満杯になっちゃったし。」
「ミリアリア・・・お前、ヘリオポリスで避難し遅れた時も同じ理由だったろ。」
「過去の古傷抉らないでよ。カガリさん。」
「二人とも、やられるから耳元で騒ぐの止めてくれ。」
「「あ、ごめん。」」

 定員一名のザクウォーリアのコクピット内に人影は三人。
 パイロットはアレックス・・・もといアスラン・ザラ。そしてシートの後ろで身体を縮こまらせながら遠慮の無い会話をするのはカガリとミリアリアだった。
 事の経緯は次の通り。
 議長との会談中に強奪事件に遭遇したカガリとアスラン。
 ザフト兵の案内でシェルターに避難する途中で案内係がご臨終。
 逃げ場が分からないまま走り回った二人の目の前にこれまた避難場所が分からず辺りを見回していたミリアリアがいた。
 直ぐ近くには暴れまわる強奪犯の乗る新型MS、何処にあるか分からないシェルターの入り口。そして、三人の目の前に横たわる破壊されていないザク・ウォーリア。・・・決断は早かった。
 だが乗り込んだところで敵に見つかり交戦状態。にも関わらず遠慮なくアスランの耳元で大声で会話を続けるカガリとミリアリア。
 操縦に集中できないパイロットに対し性能は遥かに良いと思われる敵機が眼前に迫っているこの状態は間違いなく大ピンチだった。
 既に左腕にあったシールドは切り落とされ、二機に増えた敵。

《やられる!》

 半ば覚悟にも似た思いが胸をよぎった時、敵機の中の一機が爆音と共にバランスを崩した。
 後方へと目を向けると飛び込んでくるMA。続いて飛んできたユニットと合体しMSへと変形すると大振りのソードを構えアスラン達と敵の間に割り込むように降り立った。
 赤と白を基調にしたそのMSの姿にミリアリアは呆然と呟く。

「・・・ガン・・・ダム・・・・・・?」



《何で・・・何でこんな・・・・・・。》

 戦いに参戦したのはソードインパルス。そのパイロットはフレイに追い立てられたシンだった。
 本来ならば今日は妹のマユと楽しい家族の団欒を過ごし、ミネルバの推進式典に華を添える演出をインパルスでしてこれまたマユに喜んで貰い、最後はマユに携帯メールを打って安らかな眠りを貪る予定だったのだ。
 だがそれは目の前にいる敵に邪魔された。
 それどころか大事な妹は敵の襲撃の為に傷を負うというおまけをつけられたのだ。
 けれど・・・シンにとって一番許せないのは。

「また戦争がしたいのか!? アンタ達はっ!!!」

《俺は許さない。俺達の家族を奪った戦争を・・・俺とマユを一人にした争いの火種を!》


 * * *


 目を覚ますと其処にいたのは以前よく見かけた人物だった。
 肩の上辺りで切り揃えられた銀色のストレートヘアと外見の優美さに反するキツさを感じさせ雰囲気。以前見た時は赤い軍服を着ていたと記憶しているが、現在は何故か軍服ではないその人物をフレイは覚えていた。
 長い間しゃべっていない為か、掠れた声で彼女は問いかける。

「確か・・・・・・イザークって言ったっけ?
 アンタも死んだの。」
「誰が死ぬか。俺は生きている。お前も死んでいない・・・生きている。」
「?」
「理解出来ないか? 爆散した脱出艇の破片と共に漂っていたお前をザフトが救出したんだ。
 生きていたのは殆ど奇跡だな。他にもスーツを身についていた奴らが一緒に漂っていたがお前以外は爆発の影響でスーツが破損し死亡していた。
 その上、偶然救難信号のスイッチが入ったらしくザフトの艦が偶々近くを通り掛りお前を回収した。あちこちの骨が折れて2・3ヶ月は動けないが命があるだけマシだろう。」
「生きて・・・る? じゃあ戦争は??」
「終わった。正確には現在は休戦協定が結ばれただけだがな。
 もう終戦に向けて世界は動き始めている。それ故に俺も忙しい身だと言うのに捕虜だったお前と面識があるというだけで面倒を任された。
 全く・・・Nジャマーキャンセラーの情報漏洩経路調査が全く進んでいないと言うのに次から次へと最高評議会も無茶を言ってくれる。」
「Nジャマー・・・キャンセラー・・・・・・。
 そう・・・、じゃあ私を助けたのは正解ね。」

 愚痴るイザークの言葉にフレイは自嘲して呟く。
 意味深な言葉にイザークがフレイを見つめると彼女は静かに涙を流しながら告白した。

「連合に・・・・情報を・・・・・っ・・・データ・・・ディスク・・・・・・渡したの私。」
「!?」
「あの人が、これで・・・・・戦争は終わるって・・・・・・言ったから・・・・・・・・。」
「フレイ・アルスター!?」
「でも・・・・たくさん人が死んだ・・・・・・私が・・・殺した・・・・・・。
 誰にも死んで欲しく・・・・なかったのに・・・・・っ。」
「・・・・・・・・・・クルーゼ隊長・・・なんだな。」

 泣きながら話し続けるフレイにイザークは悟ったように言った。頷くフレイに空を仰ぎ見る。
 見えるのは病室の白い天井だけ。けれどその白さは嘗て上官と仰いだ仮面の男を思い出させた。
 初めの頃、イザークは彼に憧れていた。
 開戦から間もなく、世界樹攻防戦においてジンでMA37機・戦艦6隻を撃沈しネビュラ勲章を受けた英雄ラウ・ル・クルーゼ。
 その後も彼が率いる隊はザフトでも抜きん出た高い確率で任務を遂行し続けた。
 彼の隊に配属が決まった時、イザークは密かに心を躍らせていた。謎めいた仮面すら気にならないくらいに彼に心酔していたのだ。
 だが、ヘリオポリス襲撃後からイザークの中で何かが変わって行った。
 宿敵とも言うべきストライクの存在。
 ライバルと見做していたアスランの不可解な行動。
 そして実際に見た戦場の悲惨さ。
 狂気に犯されてもおかしくない状況を見続けたイザークの中で戦争に関する考え方が少しずつ変化し続けていた。
 捕虜であるはずのフレイの処遇はイザークの中でラウ・ル・クルーゼという人物に対する疑念の種を植え付け、メンデルで再会したディアッカの言葉がその種を芽生えさせた。
 育ち続けた疑念はザフトに対する懐疑へと変化し始め、第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦においてイザークは第三勢力として現れた嘗ての戦友に手を貸した。
 それは憧れていた英雄との別れを意味していた。
 自分で考えるようになり、終戦協定の為に始めた調査で見え始めたものがあった。

「ラウ・ル・クルーゼ。彼がこの戦争を影で煽っていた一人だったと言う訳か・・・・・・。」
「私・・・・・・何で生きてるんだろ・・・・・キラに会いたいって・・・・・・・会わなきゃって思ってたのに。
 今は生きてることが・・・・・・悲しい。」
「・・・・・・・・・・。」

 フレイの言葉にイザークは何も答えなかった。
 彼女の想いは彼女のものだけであり、自分が出来ることは気持ちの整理が出来るように話を聞くことだけ。そう想ったからだった。
 けれど、続いた言葉を許す事は出来なかった。

「・・・あの・・・時に・・・・・・死んでれば良かったのかな。」
「その言葉、二度と吐くな! 生きたくても生きられなかった者がどれだけいたと思っている!?」
「だって・・・・・・私・・・・・・・。」
「何故生かされたのかを考えろ! 俺達は何故生きている!?
 俺達が今背負っているのは戦争の中、無念の中に死んだ者達の思いと未来への希望だ。
 戦争の中を生き抜き、自分達がどれ程馬鹿げた理由で戦っていたかを知り、これからどうしていくべきなのかを考え伝えていく。
 お前や俺がこのまま死ねば死んで行った者は皆、タダの犬死だ!
 どれ程辛く悲しく泣きたくとも耐えて生きていく。ソレが俺達に与えられた贖罪と知れっ!!!」

 はーっ はーっ

 一気に言い切ると大きく息をつくイザークにフレイは泣き笑いの表情で呟いた。

「ひっど・・・・・・。」
「何とでも言え。
 死ぬ事は許されない。それだけは覚えていろ。
 そしてこれから何をすべきかを考えるんだな。」

 それだけ言い捨てるとイザークは病室から出て行った。
 閉められたドアを暫く見つめ涸れ果てるのではないかと思うほどの涙を流したフレイは、退院後オーブに一度だけ通信を入れザフトに志願した。


 続く 


 ちょびっとギャグが匂ってくるシリアス話でした。
 漸く目指すシーンが見えてきた!


 2005.10.28 SOSOGU


 予告通りちょびっとだけ文を付け加えました。

 2005.10.30 SOSOGU

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