〜まだまだ嵐は吹き荒れる〜 《取り逃がした。》 この想いだけがシンの中に渦巻いていた。 初陣が黒星となった事もそうだが、戦いの芽と確信出来る敵であったにも関わらず逃がしてしまった事が悔やまれてならなかった。 力が欲しくてザフトに入り、望み通りテストパイロットから新型MSの正式なパイロットに昇格した。 《力を手に入れたはずなのに・・・・・・こんな事になるなんて。》 「くそぉっ!」 だん! 壁に打ち付けた腕の音は格納庫内にかなり響き、整備をしていたヴィーノとヨウランがビクつく。 苛立つシンにいつも通りのポーカーフェイスでレイが宥めるように肩を叩いた。 肩から流れる金色の髪が緩やかなウェーブを描き、ふわりと微かにコロンの匂いを漂わせる。 ずっと纏わりついていた硝煙の匂いが掻き消され、ささくれ立った心が静まるのを感じたシンは漸く険しい表情を和らげる。 「わかってるよ。」 何も言わずに諭すような瞳のレイにシンは報告に行く為にロッカールームへ向かおうとした。 右手に持ったヘルメットを肩に担いで格納庫から出たところ、医療スタッフの女性兵が二人に駆け寄って来る。 《どうしたんだ?》 怪我の報告などした覚えは無い。レイも怪我をした様子は無く、女性兵の慌てぶりに不審そうな視線を向けていた。 「シン! 早くメディカルルームに!! 妹さんがっ!!!」 !? 返事をする暇も惜しいとシンは駆け出した。 いつもなら真っ先に入る更衣室を通り過ぎ、メディカルルームしか見えていないようで壁を蹴って無重力の廊下を凄まじいスピードで飛んで行く。 《マユ・・・マユ・・・・・・マユっ!》 何故ミネルバに居るのかという疑問はシンには無い。 残された家族に何かがあった。 ただソレだけしか今のシンの頭には無かった。 いつもなら僅かな距離が遠く感じる。 漸く見えた扉を開けると同時にシンは叫んだ。 「マユっ!!!」 シンの声に振り向いたのはルナマリア。 ホッとした様子でシンを奥へと導こうとする。 「シン! 早くマユちゃんを!!」 「マユはどうしたんだ。怪我が酷かったのか!?」 「へ? あれ・・・・・・聞いてないの??」 不思議そうな顔で訊ねるルナマリアにシンは「それよりマユは!?」としか言わない。 すると中々来ないシンに痺れを切らしたのか赤い髪の少女が出てきた。 シンとマユの面会に立ち会ったフレイだった。 「何やってるのよ。早く来なさい。」 「一体何があったんだ? マユはっ!?」 「マユちゃんなら大丈夫・・・と言いたいところだけど。」 「怪我が酷かったのか!」 「怪我は大丈夫だけどね・・・・・・。」 「っ!」 中々答えを言わないフレイに痺れを切らし、シンは奥の閉められたカーテンを開けた。 真っ先に目に付いたのは金色の髪。 シンと大して変わらない年に見えるその少女には覚えがあった。 「アンタ・・・・・・カガリ・ユラ・アスハ! 何でミネルバにいるんだよ!!」 シンの叫びに名を呼ばれたカガリが振り返る。 驚いた表情のカガリの胸に抱かれているのはシンの探していたマユの姿。 先ほどまで泣いていたらしく眠っている妹の頬は紅潮していて拭い残された涙が光って見える。 ずわっ 瞬間、シンは血が沸騰する感覚を覚えた。 考える前に動いた身体はカガリの腕から奪うようにマユを引き離す。 「お前っ! いきなり何・・・っ。」 「マユに何したっ!!!」 室外にも響き渡りそうなほどの怒声に皆、一瞬思考を停止させる。 怒鳴られたカガリも同じだった。 だが、真っ先に立ち直ったのもカガリだった。 「それはこちらの台詞だ! お前こそいきなり何をする!!!」 カガリからすればシンの行動は傍若無人にしか映らない。 先ほどまで見知らぬ子どもに「ママ」と呼ばれて密かに《私は実年齢より老けて見えるのか?》と傷つきながらも必死に宥めていたのだ。 フレイが一緒に諭し、「頭打ったし起き抜けに知らない場所に知らない人だらけで混乱しているんじゃないかしら。」とココアを飲ませたところ、怪我の影響や泣いていたこともあり眠ってくれたのに目の前の人物は乱暴に子どもを自分の手から奪い取ったばかりか自分に対して暴言を吐く。 元々直情型のカガリ。政治の世界に入って自分を抑える術を覚えたと言っても経験は浅くまだまだ若かった。 目には目を、歯には歯を、激情には激情を以って対するのはあまりにもカガリらし過ぎた。 けれどそのままではいけない。 非常事態だったとはいえ、現時点ではカガリはオーブではなく友好国であるプラント国籍の軍艦ミネルバに身を寄せているのだ。 にも関わらずそのミネルバクルーと反目しているこの状況は拙い。 その後の議長との会談を思えばそろそろ止めなくてはとアスランは一歩踏み出した。 が、その彼の脇をスタスタと通り過ぎる影がひとつ。 《え?》 すっぱ―――ん 小気味いい音が室内に響き渡った。 音源に驚いてシンが左横を向いた瞬間。 ぱっし―――ん 左頬にひりつく様な痛みが走った。 けれど頬の痛みよりも驚きが勝る。 同僚に似た赤い髪を靡かせハリセンの様に折られたカルテの束を持っているのはシンに取っても恩人のフレイ。(その傍らで女性の衛生兵が泣いているが多分フレイが持ってるカルテが原因。) その向こうでは先ほどまで睨み合っていたカガリが仄かに赤く染まった右頬をそのままに呆然とした表情でこちらを見ている。 そんな二人をアッシュグレイの瞳を細めて睨み渡し、彼女は低い声で言う。 「二人とも、ここがメディカルルームだってわかってるわね。」 「「・・・・・・はい。」」 「そして目の前に怪我人が寝ていることもわかってるわよね。」 「「・・・・・・。」」 「わかってるわよね?」 「「・・・・・・はい。」」 大人しくなった二人。 その状況にアスランは感謝しつつ・・・・・・・・・目の前にいる少女に恐れを抱いたのだった。 取り敢えず議長との会談があるからと席を外したカガリとアスラン。 その間にシンに状況説明が必要とメディカルルームから食堂へと場所を移した一同。 ところが・・・・・・。 「レイ。何であんたが此処にいるのよ。」 「何か問題でもあるのか?」 何時もと同じ。端正な顔立ちは全く崩れる事無く何でもないようにルナマリアの質問に質問で返すのはレイ・ザ・バレル。 アカデミー時代は『王子様の様な気品と容姿』『アカデミートップ』『議長の養い子』と色々と女性にモて易いレイは同期は勿論先輩後輩からも強力なアプローチを受けながら全く興味を示すことは無かった。 それどころか逆に鬱陶しいと女性を遠ざける傾向にあり、自然と残ったのはレイに恋愛面では興味を持たなかったルナマリアが残る結果となったのだが・・・友人になった過程が過程の為、ルナマリアの言葉は全く遠慮が無い。 「問題ありまくりよ! シンが暴走したら止めるのはレイの役目でしょうが。それなのにシンが明らかに暴走してる様子で格納庫飛び出す姿を見送って、悠々と着替えを終えてこんなところでのんびりとコーヒーを啜ってたら怒りたくなるのも当然ってもんでしょーが!!!」 「・・・・・? それは俺がやらなくてはならないことか?」 「レイ以外の誰がやるのよ!」 「ルナマリアが止めれば良いだろう。」 「シンの癇癪に付き合えるのはレイくらいよ。シンってば何でかレイの言う事は聞くじゃない。 アカデミーで教官でさえ手を焼いていたシンの手綱・・・アンタが取らずに誰が取る!」 「威張って言うな。その上説得力が無い。 命令ならば兎も角、俺がシンの世話を焼く義務も無ければ義理も無い。」 どきっぱりと言い切るレイに思わず皆が思うのは唯一つ。 《《《《《ひどっ!》》》》》 本来なら一番に傷つくのはシン。 レイの言葉にミリアリアがシンに視線を送ると其処には傷つくどころか怒りの表情を浮かべた黒髪の少年がいた。 爛々と輝く赤い瞳が怖いのはきっと気のせいでは無い。 「さっきから聞いてればレイもルナも・・・俺の事一体何だと思ってるんだ!」 「やんちゃで手間のかかる弟。」 「同僚でルームメイトだろう。」 ぴっきん☆ 空気が一瞬凍った。 《それって・・・女の子からは異性として全く意識してもらえなくて、友達と思っている人からは友情は無いって言われているようなもんじゃ・・・。 いやその前に、この三人パイロットなのに信頼関係ゼロなんじゃ。》 はっきり言ってとても良い関係とは言い難い。 特に先の大戦で戦闘管制を担当していたミリアリアからすれば現在正体不明の敵を追っているこの艦の未来に暗雲が垂れ込めている様な状況だ。 しかし、そう感じながらも部外者であるが故に口を挟むことを憚られ只見つめるだけの彼女に声を掛けるツワモノがいた。 「何やってるのよミリィ。この中で一番年長なんだから仲裁くらいしてやったら?」 背後から聞こえてきた声にミリアリアは渋い顔で振り返る。 声で誰かは分かっていた。 マユが起きたら行くと言ってメディカルルームに残ったはずのフレイが立っていた。 「関係者じゃない私が何で口出ししなきゃいけないのよ。逆に拗れかねないでしょ。 マユちゃん起きたの?」 そう言って視線を下に向ければ右手でフレイの手を掴んでいる藍色の髪が少しボサボサしている子供が一人。 先程の騒ぎの原因マユ・アスカ。 途端に険悪だった食堂の雰囲気が和らぐ。 一番の理由はやはりと言うべきか、シンだった。 同僚の「弟」&「只の同僚」発言を忘れたように吊り上げていた目尻を下げて入り口近くに立つ妹へ歩み寄り抱きしめた。 「マユ・・・怪我は大丈夫か?」 「うん! へーき。」 「さっきはどうしたんだ? あの金髪女に泣かされたんだろ??」 「「「泣かしてない泣かしてない。」」」 先程もそうだったがカガリが犯人と決め付ける様に言うシンに対し周りは否定の突っ込みを入れるが馬の耳に念仏。シンは「かわいそうに」と勝手に自己完結してマユの髪を整えるように撫でている。 「ママは?」 「「「だからママじゃないママじゃない。」」」 これまたマイペースな幼子の言葉に再び周りが突っ込みを入れる。 けれどマユは周りの言葉がわかっていないらしくキョロキョロと部屋の中を見回し始めた。 そんなマユの行動に一番反応したのはシンだった。 「アイツは此処には居ない! それにママなんかじゃない!! アイツはアスハなんだぞ!? あいつ等のせいで俺達の家族は犠牲になったんだ!!! わかっているのかマユ!!!!!」 ふっ・・・・ふぇええええ〜〜〜ん 起き抜けに兄に怒鳴られたせいか。 それとも『ママ』がこの場に居なかったせいか。 マユの泣き声が響いた次の瞬間。 「妹泣かせてんじゃないわよっ!!!」 すぱすぱすっぱ―――ん! 再びフレイのハリセンが閃いた。 シン達が全く発展性の無いやり取りをしている頃、カガリとアスランはギルバートとの会談の為に艦長室に来ていた。 真新しい艦に相応しく調度品は皆、疵一つ無い新品。プラントの最新技術はソファ一つにも行き届いているらしく、座り心地の良さに忘れていた睡魔に襲われそうになるくらいだった。が、どんなに疲れていてどんなに気持ちよくても寝るわけにはいかない。 それにカガリには目の前にいるギルバートの話から状況を確認し今後の対応を決めねばならない。そしてもう一つ気になる事がある以上、まだまだ休んでなど居られるわけが無い。 無意識にポーカーフェイスを保とうと顔の筋肉に力を入れて背筋を伸ばす。膝の上に手を組み、真っ直ぐにギルバートと向かい合うカガリの姿は間違いなく『オーブの代表首長』だった。 ギルバートと会談するのは今日だけで二回目。若いと言ってもカガリよりも十歳以上年上の彼は確実に経験の上でカガリに勝り、駆け引きに長けている。 《情報を確実に掴む。》 「申し訳ありません。姫をこのような事に巻き込んでしまうとは・・・。」 「構わない。それよりもアーモリー・ワンの被害状況と今回の襲撃犯について教えてもらいたいのだが。」 凛とした声に強い意志を宿した瞳。 味方の少ない国家元首は18歳とは思えないほど逞しくなっていた。 シン・アスカと大事な話をする時の注意事項 @話の途中で暴走するので先ずはぐるぐる巻きにして勝手に発言出来ないように口にガムテープを張りましょう。(この時、間違っても鼻ごと塞がない様に十分に気をつけて下さい。) A必ず彼の同僚を立ち合わせましょう。腐ってもザフトレッドを纏うエリート。しかも元気な16歳の男の子です。ロープを引き千切る恐れがあるので抑えられる人間が必要です。 B話が終わった後に逆恨みする恐れがあります。どんなにシンが間違っていると思ってもその言葉の中に欠片でも良いから正統性を認めてあげて下さい。 以上、最低注意事項でした! 「へー、こんなマニュアルあるんだ。」 呆れた様な声で呟くのはミリアリア。手にしているのは『シン・アスカ取扱説明書(笑)』と人をおちょくっているとしか思えないポップフォントで書かれたファイルだった。 丁寧に目次まで作成されており表紙はザフトのエンブレムにマル秘の判子が押されている。 芸が細かいと言うべきか単に作ったやつが暇人と言うべきか悩む一冊だ。 本を胸に抱きこみながら問題のシンに目を向ければ『マニュアル通り』にぐるぐる巻きにされてガムテープを口に張られて床にそのまま転がされている。 シンの傍らではマユが当惑した様子でうろちょろしているが、兄を開放しようとしないのはレイとルナマリアに止められてどうしていいかわからないからである。 《ファイルの内容よりも・・・・・・何で非番だったフレイがこんなファイル持ってたかって方が疑問よね。》 当たり前な疑問。 けれどソレを此処で訊いていいのか? ミリアリアは迷って視線の合ったレイに訊ねた。 「ところでこのファイルってマル秘って書いてあるけど私に見せて良かったの?」 「その判子は只の冗談です。本物のマル秘印とフォントが違います。こんな可愛らしいポップ系の丸文字を公式文書に使う事はありえません。 それに本当に部外秘のファイルであれば非番だった彼女が持ち出せるはずがないのですから。」 「まあ常識的に考えればそうだけど・・・。」 「私がこの子に会うって聞いてアイツがくれたのよ。」 「アイツ?」 「ディアッカよ。」 ぴっきん☆ ミリアリアのこめかみに血管が浮き出る。 ソレに気づいたのか何かを企む様に笑うと更に言葉を続ける。 「アイツ、まめよね〜。 アカデミーから臨時講師として招かれた時に手を焼かされたシンの手綱を取る方法をレポートにしてそれを基にマニュアル作ったんだって。 他の教官達から涙流すほど感謝されたって聞いたけどホント?」 「ホントです。ナイフ戦担当のフレッド教官がエルスマン先輩に泣きながら抱きついていたの見ましたからv」 彼女の疑問に何故かうれしそうに答えるのはルナマリア。 気のせいか・・・・急につやつやてかてかと頬が光って見える。 だがそれは気のせいではない事をミネルバクルーは知っていた。 《《《エルスマン先輩とフレッド教官がデキてるって噂の大元はルナマリアか。》》》 ふぅっと溜息を吐いてレイは思い返す。 別に噂自体は不思議なものではない。女性兵もいると言っても圧倒的に男性の多い軍隊。 地球軍でもザフトでもそれは変わらないのだ。 実際綺麗どころのレイも好奇の視線に晒されるのはほぼ毎日の事だったし、アカデミー時代によくあった告白では偶に女の子だけでなく男が混じっていた事がある。 どちらも丁重にお断りして帰ってもらったものの、同性からそう見られていたと思うとこめかみから伝う汗は拭えなかった。 況してや女好きのディアッカがそんな噂を立てられたのだ。きっと全身鳥肌ぐらいは体験しただろうと簡単に予想できる。 「確か講師の仕事が終わってからよね〜。アイツが暇さえあればパソコン前で溜息吐くようになったのv まるで誰かからのメールを待ってるみ・た・い・に☆」 「・・・・・・・・・私はアイツみたいに暇じゃないのよ。」 「もうあの必死さは年上なのに間抜けで可愛くってお腹が痛くなるくらい笑っちゃったわ〜。」 「・・・・・・だからって検閲受けるメールでプロポーズしてくるヤツに誰が返事なんてするもんかっ!!!」 「良いじゃない。もうボルテール所属の女の子全員に『心に響く言葉』を聞きまくって頑張ってたのよ?」 「MSにグラビア雑誌を持ち込んでたアイツの姿を見てた私にそんなもの通用すると思ってるの?」 「あらv 今はミリィの写真に変わってるわよvvv」 「どっちにしろお断りよっ!!!」 《《《エルスマン先輩の本命はこの人だったのか。》》》 マニュアルを貰っている上に妙にディアッカの情報に通じているフレイも気になるが・・・ 《《《この人確かオーブの人でしかもナチュラルだったよね!? 先輩とどーゆー関係っ!!?》》》 食堂内にいるザフト兵の注目は二人に集まる。 ルナマリアは勿論の事、整備が終わったヨウランにヴィーノ、いつもは他人の事に首を突っ込まないレイも二人の様子を凝視している。 本来賑やかなはずの食堂に落ちる沈黙。 それは十分以上に感じられたが数秒だったかも知れない。 いつこの重い空気が破られるのかと皆がごくりと喉を鳴らした瞬間・・・・・・声が聞こえた。 「この転がってるパイロットは何なんだ?」 先程議長との会談の為に席を外した筈のカガリ・ユラ・アスハ代表と随員のアレックス・ディノが呆れた顔で拘束されたシンの縄に手を掛けていた。 「駄目よ外しちゃ!」 「そうは言うが顔色ヤバイぞ?」 確かにカガリの言う通りシンの顔色は悪い。 皆が気づいていなかっただけだが、必死に拘束を解こうと暴れまくっていたのだ。 だが拘束した相手が同期ではトップのレイ・ザ・バレル。 冷静に丁寧に暴れれば暴れるほど絞まるようにしっかりと縄を掛けてあったので一部血の流れが止まって冷たくなっている。 けれど皆、シンに医務室での出来事を説明する事を忘れてミリアリアとディアッカの関係に夢中になっていたのだ。 これを人は薄情と言う。 「これを見なさい! 『シン・アスカ取扱説明書(笑)』よ。 大事な話があるんでしょ? だったら放しちゃ駄目よ。」 「まだ話終えて無かったのか。説明頼むって言っておいただろ。」 「だってミリィとディアッカの恋の行方の方が大事だもの♪」 「恋も行方もへったくれも無いっ!」 叫ぶミリアリアに冷めた目でカガリが問う。 「・・・・・・・・・振ったんじゃなかったのか?」 「諦めの悪さはどこかのでこっぱちと似てるのよ。」 《《《何で代表がこの人と先輩の関係知ってるんだろう・・・。》》》 「そう言えばエルスマン先輩は先の大戦末期に三隻同盟に所属されてましたね。 聴けば貴女はオーブの方。クサナギに乗ってられたのですか?」 ザフト兵達の心の中の疑問に答えたのはレイだった。 その言葉に皆納得するが更に皆が荒れる言葉が出た。 「・・・・・・アークエンジェルよ。」 「「「なにぃぃいいいっ!!?」」」 「随分騒がしいけれど何かあったのかね?」 ぴきっ 落ち着きのある声に更なる衝撃が食堂内に走る。 振り向けば・・・・・・・・・そこには若きプラントの最高評議会議長ギルバート・デュランダルと艦長タリア・グラディスが立っていた。 ミネルバに吹き荒れる嵐はまだまだ通り過ぎない。 つづく 目標まで辿り着く前に余りに話の内容がコロコロ転がり過ぎたので一度切ります〜。 情けない書き手です。(涙) 2006.1.22 SOSOGU |
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